ふうざんぜん5

独学者のための易経解説
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風山漸 五爻

ふうざんぜん ごこうう
まずは、やさしい解説から

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<爻辞>
「鴻、陵に漸む。婦三歳孕まず。終に之に勝つこと莫し。吉」

<読み方>
こう、りょうに すすむ。ふ さんさい はらまず。ついに これに かつこと なし。きち。

<爻辞の意味>
「鴻が、高い丘に進んだ。妻は三年間、妨害されて妊娠しなかった。ついに妨害が勝つことはなく吉」

「風山漸」とは「徐々に進む」ことについて説かれた卦(か)です。

鴻(コウ = カモより一回り大きいくらいの水鳥)が水から離れて徐々に高いところへ行く様子に喩えて、各爻が説かれています。

そんな中この五爻は、木の枝からまた一歩進んで、高い丘にまで来ました。

この五爻は妨害により三年もの間、妻と会うことができず、そのため妻は妊娠できませんでした。

しかし最終的に悪は正に勝つことはありません。

ついにこの五爻は妻に会うことができ吉だと言っています。


「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。

また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。


加藤大岳述 風山漸 五爻

<説明の要点>

これは、陵に進んだところです。

陵とは高い丘の上です。

ここで鴻は子を育てるのですが「婦三歳孕まず」とあります。

剛をもって陽位に居るため、漸の道に適いかねるきらいがあります。

爻象から推して言えば、婦たる応位の二爻までの間に火水未済があり、孕まない象があるのです。

しかしこれは中を得ていますので、勢いは当たらなくとも位においては当たっているので、終にはその願いを果たし、剛柔相結び、吉を得るのです。

「終に之に勝つこと莫し」とは、孕むことを妨げているもののことで、最後まで妨げ通すことはできないという意味です。

加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)


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