すいふうせい2

独学者のための易経解説
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水風井 二爻

すいふうせい にこう
まずは、やさしい解説から

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<爻辞>
「井谷鮒に射ぐ。甕敝れて漏れる」

<読み方>
せいこく ふに そそぐ。つるべ やぶれて もれる。

<爻辞の意味>
「井戸の水が小魚に注がれている。つるべが壊れて漏れる」

「水風井」とは「養う」ことについて説かれた卦(か)です。

井戸の水が人や植物などを養うことに喩えています。

そんな中この二爻では、井戸の水が小魚に注がれていると言っています。

この井戸には人を養うだけの綺麗な水があるというのに、つるべが壊れているから汲み上げられることがありません。

そのため、下にいる小魚だけがその恩恵(養い)を受けるという、つまらない状態を表しています。


「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。

また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。


加藤大岳述 水風井 二爻

<説明の要点>

初爻は井泥とありましたが、二爻では井谷と言っています。初爻のように泥ではなく、陽爻の水を蓄えてはいますが、人に用いられず谷のようになって、草蒸し廃れているのです。

とういのは、井の水を汲むのは主卦の主爻たる五爻ですが、初爻は五爻と応でも比でもないため、まったくの旧井でした。そして、この二爻も応位にはありながら陽同士で応和しません。

それで上に用いられず、下に漏れ流れて、まわりの小魚を潤しているような有様だというのです。

それが「井谷鮒に射ぐ」です。

人に用いられず、益もない小魚などに注いでいるというのは、応位の五爻と応じないで、初爻と比和することを示しています。鮒というのは初爻を指し、巽をもって魚とし、初爻はその主爻、そして井谷の魚なので、これを鮒と言ったのです。

この「井谷鮒に射ぐ」は、初爻で言えば「井泥して食われず」に当たるわけですが、これはその井戸の有様を表現しています。

そして、その水の用いるべきかどうかを見て……すなわち、今度は水を主とせずに、くみ上げる釣瓶のほうを主として爻象を考えたのが、初爻では「舊井に禽なし」です。

これは、群れ遊ぶ鳥さえも見えず釣瓶なども、もとより見当たるわけはありません。

そして、この二爻は「甕敝れて漏れる」で、釣瓶はある(剛中ゆえ)のだが、それが壊れていて役に立たない(五爻と不応ゆえ)ように、くみ上げようとする水が、みな下へ漏れてしまうが如きものだと表現したのです。

甕は瓶と同じく「つるべ」に使う「かめ」。「敝れ」は、壊れること。

射は、注ぐことです。

加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)


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