すいかきせい5

独学者のための易経解説
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水火既済 五爻

すいかきせい ごこう
まずは、やさしい解説から

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<爻辞>
「東鄰の牛を殺すは、西鄰の禴祭して実に其の福を受くるに如かず」

<読み方>
とうりんの うしを ころすは、せいりんの やくさいして じつに その ふくを うくるに しかず。

<爻辞の意味>
「東の国で牛を殺してお供えするのは、西の国の質素だが真心のこもった祀りに及ばない」

「水火既済」とは「すでにととのう、すでに成就している場合」について説かれた卦(か)です。

そんな中この五爻では、牛を殺してお供えする盛んな祀りは、質素でも真心ある祀りに優るものではないと言っています。

すでにととのい安定している時には、何事も控え目で慎ましくあるべきだ…、有頂天になって派手にするべきではないと教えています。


「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。

また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。


加藤大岳述 水火既済 五爻

<説明の要点>

東鄰は外卦の坎に当たり、坎は坤の牛と交わって血(坎の象)を見ます。

そのことを「牛を殺す」と言っています。

しかし、そのように生贄をたくさん供えて祭りを盛大にするよりも、西鄰の離の夏祭が簡約にして誠を尊ぶ祭祀であることのほうが、勝っているのだとしています。

表面の賑わった豊大な祭祀ではなく、質素だが内に充実した本当の福を受ける祭祀のほうが勝っているのです。

そうしてこれは、既済の驕りと乱れとが濃厚になって、祭りなども表面だけの盛大さを誇るようになるのを戒めた辞と受け取って、初めて意味がハッキリとして来ます。

東鄰は五爻の陽剛を、西鄰は二爻の柔順を指したものですが、同時にまた東鄰は紂王を、西鄰は文王を示したものであるという見方もあります。

加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)


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