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<爻辞>
「石に困しむ。蒺藜に據る。其の宮に入り、其の妻を見ず。凶」
<読み方>
いしに くるしむ。しつれいに よる。その きゅうに はいり その つまを みず。きょう。
<爻辞の意味>
「石にぶつかり苦しむ。ハマビシによる。自分の家に帰っても妻の姿がない。凶」
「沢水困」とは「行きづまって苦しみ悩む」ことについて説かれた卦(か)です。
そんな中この三爻は、前に進めば石にぶつかり、退けば棘がびっしりのハマビシの草があるといった状態です。
そして家に帰れば妻も逃げていなくなっており凶。
どうにもならない状態を表しています。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
この三爻は、初爻と同じように陰柔不正なために困中にあって安居することができないのです。
そこで、動いて困を逃れようと騒ぐわけですが、その前方には四爻の陽爻が遮っているので、進むことができません。
それが「石に困しむ」です。
それならば退いて逃れようとすると、今度は坎の主爻の二爻が棘草のように、それを妨げます。
それが「蒺藜に據る」です。
「蒺藜」とは、棘やいばらのことで坎の象意です。
そこで仕方なく自分の住まいに踏み止まって憩おうとすると、慰めを求めるべき妻の姿もありません。
それが「其の宮に入り、其の妻を見ず」です。
宮は互体の離をもって言い、応爻の上爻と陰同士で相応じないのを姿を消した妻(爻変は大過で死者の象)に喩えたのです。
これは進退にまったく窮する凶の甚だしいものなのです。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)