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<爻辞>
「莫陸夬夬。中行咎なし」
<読み方>
けんりく かいかい。ちゅうこう とがなし。
<爻辞の意味>
「山ごぼうを除き去る。中庸なるやり方なので咎めを受けることはない」
「沢天夬」は「裂き破る」ことについて説かれた卦(か)です。
そんな中この五爻は、すぐ近くに裂き破るべき邪悪なものがあります。
(邪悪なものを山ごぼうに喩えています)
近くにいるだけに、それと親しい一面もありますが、後には除き去ることを決心し実行します。
排除するにも過激に過ぎることはなく中庸の徳で行うため、咎められる過失はないと言っています。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
三爻で「つらぼね」と言い、四爻で「臀に膚なし」と言っているのは乾を骨としゴツゴツしているところからです。
そして、この「莫陸」とは湿地に生える草の類で、一説には山牛蒡(やまごぼう)とも言われていますが、上爻を指しての事です。
外卦兌の沼の湿地に生えている根の深い草で、その蔓延るのを決し去り、決し去りして咎なきを得るのです。
この五爻は上爻と陰陽で比しているので、ひそかに好み、親愛の情を持っているので
「告ぐるに邑よりす」というような事態を発生させた一部の責任があるのですが、剛中の爻なので結局は上爻を決し去ることができるのです。
ですから、吉とは言い難く、咎なしなのです。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)