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<爻辞>
「事する所を永くせず。小しく言あるも、終に吉」
<読み方>
ことするところを ながくせず。すこしく ことあるも ついに きち。
<爻辞の意味>
「多少の不平不満があり、それを訴えても、すぐに諦め訴えをやめる。最終的にはそれで吉」
この天水訟の卦(か)は、訴えたり人と争ったりすることは最後までやり通してはいけないという教えを主軸にしています。
そんな中、この初爻は弱いので、最後まで押し通して争うことをしません。
不満はあっても途中であきらめることができるので、結果的に吉を得られます。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
いつも申し上げるように、初爻は「事柄の始め」に当たります。
ですから、この初爻はまだ「訟」というほど訟え(うったえ)が大きくありません。
それで、「訟」と言わずに「事」と言っていますが、「事」は「言」でもあります。
しかし、小さい言い争いであっても、どこまでも意地を張りとおすような事をしてはならない。
また、この爻は陰爻で力が弱いため、不服があっても官に聞いてもらおうとはせず、途中でやめます。
それが「事する所を永くせず」です。
そして事を揚げるからには、もちろん言い分を立てるので、「小しく言ある」わけです。
この「小しく言ある」は少しの咎めがあるという意味と、小さな言い争いという二つの意味を持ちます。
しかし、それを貫こうとはしないので「終に吉」となります。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)