━━━○
━━━
━━━
━ ━
━━━
━━━
<爻辞>
「履むことを視て祥を考う。其れ旋れば元吉」
<読み方>
ふむことをみて しょうをかんがう。 それ めぐれば げんきつ。
<爻辞の意味>
「自分が行ってきたことを省みて、正しかったなら今後もそれを守り、誤っていたなら出直す。そのように、常にぐるりとくまなく見まわして自ら反省するならば大きな吉を得られる」
この「天沢履(てんたくり)」の卦(か)は、人が物事を履み行うことについて説かれた卦です。
その最終の爻であるこの上爻では、自らを常に省みて、行いを正し、修正していくことの大切さを説いています。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
「履むことを視て祥を考う」とは、自分の履んできたところを省みて、もし正しく履んできたのなら、なおそれを守り、もし誤った道を歩んできたのなら出直すようにせよ、ということです。
この上爻は、この履の卦の終わりになっているので、省みる意があるとともに、初、二、三、四、五爻の行いを冷静に観察し、その結果を良く考えて、間違っていることはその轍に乗らぬようにする。
そうすれば、大いに吉を得られるということを伝えています。
変じると兌為沢となります。
履の時においては、兌の和悦を最も貴いとしますが、変ずれば、自他共に兌となるので大いによろしいわけです。
上爻というのはそもそも陰位ですが、そこに陽で居れば謀叛でも起こしやすいし、陰で正を得ていたにしても陰険邪侫に陥りやすいといった難しい位です。
しかし、この履の上爻は不正不中でありながら珍しく「元吉」の辞がかけられていますそれは、尊位の五爻の「貞しけれども厲うし」と合わせて、なかなか意味深いものです。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)