ちてんたい ほんか
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━━━主爻
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<卦辞>
「泰は、小往き大来たる。吉にして亨る」
<読み方>
たいは、しょういき だいきたる。きちにして とおる
<説明の要点>
「泰」の訓読みは「やすし」「やすらか」です。
泰平とか安泰とか言うように、「平か」「通ず」といった意味もあります。
また、衣食住の安らかさをも意味します。
象を見ても、どっしりとした感じを受けますし、陰陽が入り乱れていないことなども「泰」の意味を受け取れます。
上に地があり、下に天があり、まるでアベコベのこの卦のどこが「泰」なのか疑念を抱くかもしれません。
しかし、天の恵みが地に施されて初めて、そこに生息するものが育っていきます。
つまり天地の体についてではなく、その用を見ているのです。
屯、蒙、需、訟……、と均衡のとれない時代をきましたが、ここでやっと泰の時代が来ました。
しかし、この時代とて、長く続くものではありません。
今、泰平の時を得ても、それが極って否の時がくることも知らなくてはなりません。
地天泰の卦は縁起が良いとされますので、易者さんの看板などに用いられています。
しかしこの泰は、乱れていたものが治った時でもある代わりに、乱れ始めの時とも言えるのですから最上のものではないでしょう。
普通に行けば、間違いなく否に向かって行く…そういったことを頭に入れておくべきです。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)