━ ━
━ ━
━ ━○
━━━
━━━
━ ━
<爻辞>
「王用て岐山に享す。吉。咎なし」
<読み方>
おう もって ぎざんに きょうす。きち。とがなし。
<爻辞の意味>
「王が、これも神のお蔭と西山を祀る。吉。咎めを受けるようなことはない」
「地風升」とは「徐々にのぼり進む」ことについて説かれた卦(か)です。
そんな中この四爻は、のぼり進むことができるのに、あえてそれをせず控えている者です。
この王とは周の文王のこととされますが、当時、殷を滅ぼし天子になろうとすればできたものの、
あえてそれをせず諸侯の地位に甘んじ、領内の岐山をお祀りしていたということを表しています。
このようであれば吉であり、咎めを受けることはないのです。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
二爻は用いられて禴を司りましたが、この四爻には岐山を祭祀させるのです。
共に信任されて、ある地位に升っているいるわけで、更に升れば君を侵す疑いを生ずることでしょう。
それが卦中、この二つの爻だけ「升」の字がない所以とも言えます。
ではなぜ、この四爻に岐山を祭祀させるかと言うと、外卦坤の下爻なので、順の順なるもので、しかも陰で陰位にいる正しさがあり、
升の時に当たって勢い強く昇進を専らにして柔中の君をしのぐようなきらいもありません。
だから信任されるのです。
二爻は誠実を喜び用い、四爻は順徳を尚び用いるということになります。
これは、上に升り仕える者であるとともに、まつりごとを行う上に欠くことのできない要素です。
ですから、吉にして咎なしなのです。
ここの岐山というのは、沢雷隨の上爻にあった西山のことであり、また享するとあるのは、祭祀を表したものです。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)