風天小畜(ふうてんしょうちく)本卦

独学者のための易経解説
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風天小畜 本卦

ふうてんしょうちく ほんか



風天小畜 本卦の解説

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━  ━主爻
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<卦辞>
「小畜は亨る、密雲雨ふらず。我が西郊よりす」

<読み方>
しょうちくは とおる、みつうん あめふらず。わが せいこうよりす。



<説明の要点>

内卦の乾(剛健で進む)を外卦の巽(柔順)が止めるので、この卦は風天小畜と言います。

つまり「柔よく剛を制す」のことわざ通り、たとえば強い父親が何かに怒って外へ飛び出そうとするのを、いつも優しく父をいたわる娘が「まあまあ」と言って止めるので、さすがの父親もいくらか気分を和らげて思いとどまる……このようなイメージで小をもって畜める(とどめる)ので、小畜となるのです。

または、元気いっぱいの五陽を四爻の一陰が畜めるので、大きくは畜められない……だから小畜と名付けられました。

小畜の「畜」という字は「たくわえる・とどめる」という意味ですが、この字は玄と田を重ねたもので元来は農耕の行事から出たものです。

田に玄玄(なみなみ)と水が張られているのを畜とし、先の「たくわえるとどめる」にくわえ「やしなう」という意味もあります。

お金を蓄えるのを貯蓄と言いますし、家畜として畜えた生類を畜生と言います。

それから人がしようとすることを止めるのを「畜止」と言ったりします。

自然の事情に当てはめますと、乾を天とし巽を風とし、天上を風が吹き下の方まで吹き及ばない。
水天需の坎が雨となって地上に落ちず、地が潤わないのと同様に風の恩恵が行き渡らないので植物等も伸びず、成長をしばし止められる。これが小畜です。

そのことを言ったのが「密雲雨ふらず」です。

物の変化活動とは、天と地が互いに交和する作用によるものと易では見るのですが、一陰によって止められ、その働きをしない。

雨と言うのは、易の見方から言うと、西の陰の気が萌しているところに東の陽の気が入ってくる時に初めて降らせることができるとしていますが、これが上手く交わらないのです。

「小畜は亨る」とは、ただちに亨ると言う意味ではなく、止められながら力を蓄え、強くなったときに進行を開始する。
その時に亨るわけです。

「我が西郊よりす」というのは、二~四爻を兌(密雲)とし、乾に密雲を含んでいるとします。

しかし密雲の上には、三~五爻の離の太陽があるので、まだ雨を降らさない。

兌を西としますので、「我が西郊よりす」と言う、象からの解釈です。

あるいは、この辞をかけたとされる文王が、紂王に囚われていた時、

西に在る自分の本国に思いを寄せて「我が西郊」と言ったという説もあります。

加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)



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