こんいち ほんか
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━ ━主爻
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<卦辞>
「坤は元いに亨る。牝馬の貞に利ろし。君子往く攸あり。
先んずれば迷い、後れれば主を得る。西南朋を得るに利ろし、東北朋を喪うも、貞に安んずれば吉」
<読み方>
こんは おおいに とおる。ひんばの ていに よろし。くんし ゆくところあり。さきんずれば まよい、おくれれば ぬしをえる。
せいなん ともをうるによろし、とうほく ともをうしなうも、ていにやすんずれば きち。
<説明の要点>
この卦は、前の乾為天と相対する卦です。
乾為天が全部の爻が陽(純陽)であったのに対し、この坤為地は全部の爻が陰(純陰)です。
乾為天を父とすれば、坤為地は母なる卦……坤は、静か・柔らかい・順うなどという意なので、積極的ではなく、他に従うのを本分とします。
この坤為地も、「大いに亨る(おおいに、とおる)」のですが、乾為天のような積極的な努め方ではなく、柔順の徳を守って亨る卦です。
これを「牝馬=良く人に馴れる柔順な動物)」に例え、この卦が得られた時には、そのような従順さをもって努めれば亨る時だと教えているのです。
しかしこれは、妻とか臣とか下に付く立場の人のみに当てはまることではありません。
たとえトップの立場にある人であっても、そのような時期や場合はあるのだということです。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)