天火同人(てんかどうじん)本卦

独学者のための易経解説
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天火同人 本卦

てんかどうじん ほんか



天火同人 本卦の解説

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━  ━主爻
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<卦辞>
「同人野に于てす。亨る。大川を渉るに利ろし。君子の貞に利ろし」

<読み方> どうじん やに おいてす。とおる。おおかわを わたるによろし。



<説明の要点>

この一つ前の卦、天地否は内外が交わらず、好き勝手な事をしているので物事が塞がって通じませんでした。

けれども、その否も上爻ともなれば「否を傾く」で、上下の不和もようやく解ける糸口をつかんだので、人は皆、泰平の世を招こうと力を合わせ努めるようになる……それが否の後に配されたこの天火同人の卦なのです。

内卦離は火、外卦乾は天です。

乾の陽気も火気も、ともに昇り進む徳性を持っていますし、また「気あって形なし」のものです。

更に乾の陽気を太陽とし、離の物について発する性を火に象ってみても、ともに明らかにし物を照らし、かつ熱するその働きにおいても非常に似通っています。

したがって、この両者を合わせてできたこの卦に、志を同じくする人々が力を合わせてゆく意味をあて、これを同人と名付けました。
同志の者は非常に親しい。

「同人は親しむなり」です。

同人は一つの目標に向かって、二人以上の者が力を合わせて同一行動をとるので、親しみがあるのです。

では「同人野に于てす」とは、野において何をするのかと言えば、人と同じくせよというのです。

「野」というのは、公明なとか、誰にも恥じることなくとかいった意味で、外卦乾の象ですが、遮るものない広々とした野で事をなすには、公明正大なものでなくてはならない。

つまり、天地神明に恥じない事でなくてはならないのです。

人と力を合わせてすることは、陰の粉雑したところで、コソコソやるべきではなく公明正大、大義名分の立つものをやってこそ通すことができるのだと言うのです。

公明正大なことを目標とし力を合わせて進むのであれば「大川を渉る」ような危険・困難も乗り越え、成し遂げることができるのです。

「君子の貞に利ろし」とは、人と志を同じくし力を合わせて事に当たるのは、その志の正邪はもとより、理由なども正しいものでなくてはいけない。かつ、ひとたび同人すれば、貞くしなくてはならないと、戒め説いています。

加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)