しんいらい ほんか
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━━━主爻
〈卦辞〉
「震は、亨る。震來るに虩虩たり。笑言啞啞たり。震百里を驚かすも、七鬯を喪わず」
〈読み方〉
しんは、とおる。しんきたるに げきげきたり。しょうげん
あくあくたり。しん ひゃくりを おどろかすも 、ひちようを うしなわず。
〈説明の要点〉
火風鼎の次に、この震の重卦が置かれたのは、震が長男を示すからです。
火風鼎で位が定まることを意味しましたが、その定まった位を継承して行くのは長男ですので、ここに配されました。
震は人で言えば長男、自然で言えば雷、季節では春となり、その性を考えれば、奮動・勢威・決断・大声・驚愕などとなるわけです。
震は、震い(ふるい)進んでいくので物事は亨る、通達します。
しかし人を驚かせ、恐れさせるような激しい勢いでやってきます。
それが「震來るに虩虩たり」です。
??というのは、驚くかたちで、ビクビクしたりドキドキしたりすることです。
しかし雷は、落雷ということがもありますが、大抵は驚いたほどのことではないので、過ぎ去ってしまえば安心することが出来ます。
それが「笑言啞啞たり」で、啞啞とは安心して笑う形容です。
そのように震(雷)は非常に遠くまで驚きおののかせるので、それが「震百里を驚かす」です。
しかし震はまた長男ですから、一国一家から言えば跡取りの長子となります。
長子は剛毅で、たわまないものですから、驚事に面しても七鬯を喪いません。
七鬯とは、祭祀をする時に使う物です。
七とは、鼎の中にある物を神前に供える「さじ」のこと、鬯とは、香り高い酒で祭壇にこれを撒くのです。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)